1 親の家に防犯の必要があるか
一戸建てで留守が多い、道路に面した窓があるといった条件があるなら、防犯機能を含むセコムの型が候補になります。反対に、集合住宅で防犯面の不安が小さく、心配なのは体調や転倒であれば、見守り専用のALSOKで足ります。この判断を先にしないと、20万円以上の差が意味を持ちません。
更新日:2026年8月
離れて暮らす親の見守りを警備会社に頼む場合、セコムとALSOKで5年総額が約39万円と約18万円、2倍以上の差があります。 これは単純な価格競争の結果ではなく、サービスの範囲が違うためです。公表値を並べてこの差の中身を整理しました。
高齢者の見守りサービスといっても、訪問による安否確認、電話による確認、緊急時の駆けつけなど、サービスの中身は同じではありません。 まずは「定期的な安否確認だけで足りるのか」「緊急時に人が来てほしいのか」「防犯機能も必要なのか」を分けて考える必要があります。
| 選択肢 | 何をしてくれるのか | 料金の公表例 | 駆けつけ |
|---|---|---|---|
| 郵便局 | 訪問または電話による安否確認 |
みまもり訪問:月額2,500円(税込) みまもりでんわ:月額1,070円(税込)〜 訪問+でんわ:月額3,460円(税込)〜 |
あり。ただし警備会社との別契約が必要。1回5,500円(税込) |
| 警備会社 | 緊急通報、安否確認、必要に応じた駆けつけ。サービスによっては防犯機能も含む |
ALSOK:月額1,870円・2,838円・3,069円(税込) セコム:月額5,610円(レンタル)・3,520円(買い取り)(税込) 初期費用や機器費はプランによって異なる |
あり。回数や料金の条件はプランごとに確認 |
| 自治体の補助 | 対象となる見守りサービスの利用料を補助する制度 | 横浜市の例では最大月額1,000円。補助額を除いた利用料で開始 | 補助制度自体は駆けつけを行わない。利用する事業者の契約による |
郵便局のみまもりサービスは、安否確認を定期的に頼みたい人に向いています。 安否確認だけで足りるなら、月額1,070円(税込)からのみまもりでんわは十分な選択肢になります。 一方、緊急時に人が自宅まで来ることを求める場合は、郵便局のサービスだけで完結するわけではありません。
日本郵便の公式ページには、利用者の状況に応じて警備会社が自宅に駆けつけること、そのために警備会社との別契約が必要であることが記載されています。 駆けつけの料金は1回5,500円(税込)で、対応時間は1時間以内です。 郵便局を選んでも、人が来る部分は警備会社が担う仕組みになっています。
自治体の補助は、サービスそのものではなく、対象となる見守りサービスの利用料を軽くする制度です。 横浜市の「高齢者見守り・安否確認機器補助事業」では、横浜市在住で65歳以上のひとり暮らしの方などを対象に、最大月額1,000円を補助しています。 登録事業者の一覧にはALSOK株式会社も含まれており、補助を受けながら警備会社のサービスを使う形も取れます。
ただし、これは横浜市の例です。制度の有無、対象となる条件、補助額は自治体ごとに違います。 利用を考える場合は、住んでいる市区町村の公式ページで確認してください。
このほかにセンサー型・カメラ型の機器という選択肢もありますが、このサイトでは警備会社のサービスに絞って扱います。 製品そのものの比較ではなく、警備会社が提供する見守りサービスの料金と対応内容を比べるためです。
ここからは、実際に人の対応を頼める警備会社のサービスを詳しく見ていきます。 セコムの「親の見守りプラン」とALSOKの「みまもりサポート」について、見守り専用か防犯機能付きか、料金と契約条件がどう違うのかを比較します。
この章の料金と制度は、2026年8月22日に各公式サイトで確認した公表値です。 出典: 日本郵便 みまもりサービス、 ALSOK みまもりサポート、 セコム・ホームセキュリティ プラン別価格、 横浜市 高齢者見守り・安否確認機器補助事業。 料金や制度の内容は変更されることがあります。
警備会社の見守りサービスには、性質の異なる2種類があります。
この違いが料金差のほぼすべてを説明します。 「見守りサービスを比較したい」と考えて月額だけを並べると、防犯機能の有無を見落としたまま安いほうを選んでしまう可能性があります。
セコム・ホームセキュリティ スマートNEOの「親の見守りプラン」の公表額は次のとおりです(2026年8月22日、公式サイトで確認)。
戸建て向けの標準プラン(レンタル月額8,470円・工事料69,960円)より安く設定されていますが、 マンション向けプラン(月額5,500円・工事料53,790円)とはほぼ同水準です。防犯機能を含んだホームセキュリティの一種として位置づけられていることが料金から読み取れます。
ALSOK(アルソック)の「HOME ALSOK みまもりサポート」の公表額は次のとおりです(2026年8月22日、公式サイトで確認)。
ALSOKの戸建て向けホームセキュリティ(レンタル月額7,865円)と比べると月額が3分の1近くで、工事費も13,365円と大幅に低いことが分かります。 機器の点数が少なく、防犯のためのセンサー設置を伴わないためです。
| プラン | 月額(税込) | 初期費用(税込) | 5年総額 | 防犯機能 |
|---|---|---|---|---|
| ALSOK みまもりサポート お買い上げ | 1,870円 | 70,565円 | 約18.3万円 | なし |
| ALSOK みまもりサポート レンタル | 2,838円 | 13,365円 | 約18.4万円 | なし |
| ALSOK みまもりサポート ゼロスタート | 3,069円 | 0円 | 約18.4万円 | なし |
| セコム 親の見守りプラン お買い取り | 3,520円 | 263,340円 | 約47.5万円 | あり |
| セコム 親の見守りプラン レンタル | 5,610円 | 54,890円 | 約39.1万円 | あり |
見守り専用のALSOKは3つのプランすべてが約18.3万〜18.4万円に収まり、契約方式を変えても総額が動きません。 一方セコムはレンタル約39.1万円に対して買い取りが約47.5万円で、買い取りのほうが8万円以上高くなります。 「買い取りのほうが長期的に得」という一般的な理解は、このプランの5年という区切りでは成立しません。同じ現象はマンション向けプランでも起きており、詳細は料金の相場と5年総額で扱っています。
一戸建てで留守が多い、道路に面した窓があるといった条件があるなら、防犯機能を含むセコムの型が候補になります。反対に、集合住宅で防犯面の不安が小さく、心配なのは体調や転倒であれば、見守り専用のALSOKで足ります。この判断を先にしないと、20万円以上の差が意味を持ちません。
緊急時に人が来てくれることを重視するなら、駆けつけ体制が月額に含まれているかを確認する必要があります。7社のうち駆けつけを別料金にしている会社もあり、東急セキュリティは1回6,600円です。会社7社の比較で各社の扱いを確認できます。
セコムは当初5年間と明示していますが、ALSOKのみまもりサポートは契約期間が公式サイトに記載されていません。親の状況は数年で変わりうるため、途中で解約する可能性を踏まえて条件を問い合わせておくべきです。中途解約の扱いは解約・乗り換えで扱っています。
親の家が地方にある場合、地域限定の会社は対象外になります。全国どこでも契約できるのはセコムとALSOKの2社だけでした(2026年8月22日、各社公式サイトで確認)。実家の所在地で選択肢が決まる点は見落としやすいところです。
親が施設に移るなどして実家が空き家になった場合、見守りではなく空き家向けのサービスが対象になります。 ALSOKは「HOME ALSOK るすたくセキュリティパック」を月額11,000円(税込)・初期費用0円のゼロスタートプランで公表しています(2026年8月22日、公式サイトで確認)。
月額11,000円は同社の戸建て向けホームセキュリティ(レンタル月額7,865円)より高い設定です。 人が住んでいない建物は異常の判断が難しく、巡回や点検の手間が増えるためと考えられます。 「誰も住んでいないから安くなる」という直感は当てはまりません。
見守りから空き家管理へ切り替える局面では、既存契約の解約と新規契約が同時に発生します。 中途解約の条件によっては保証金が戻らないため、切り替えのタイミングは解約・乗り換えの条件とあわせて考える必要があります。
7社の公式サイトを確認した範囲では、見守りサービスについて次の情報が公表されていませんでした。
親の状況は数年で変わることが多く、見守りは特に途中でやめる可能性が高いサービスです。 契約期間が公表されていない場合は、資料請求の段階で期間と解約時の負担を質問しておくと、あとで判断に困りません。 各社の公表姿勢の違いは会社7社の比較で整理しています。
セコムの親の見守りプラン(5年約39.1万円)とALSOKのみまもりサポート(5年約18.4万円)の差は、防犯機能を含むかどうかの差です。 安いほうを選ぶ判断ではなく、親の家に防犯が必要かどうかの判断が先にあります。
なお、警備会社以外にも通信事業者や自治体、NPOが提供する見守りサービスがあります。当サイトは警備会社のサービスに絞って扱っているため、それらは比較対象に含めていません。 警備会社を軸に検討するなら、まず会社7社の比較で対応エリアを確認し、見守り・高齢者向けについてのよくある質問で実務的な疑問を潰しておくのが確実です。