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戸建て・一軒家のセキュリティ
狙われるのは玄関ではなく窓です

戸建てのセキュリティは、玄関の鍵を強くすることから考え始める人が多いはずです。 ただ警察庁の統計を読むと、一戸建ての侵入口は窓が57.3%で玄関の3倍近くあり、 手口の最多も鍵のかけ忘れではなくガラス破りでした。この事実を出発点に、7社の戸建て向け料金と、見積もりで確認すべき項目を整理します。

日本の一戸建て住宅の外観

「無締りが最多」は一戸建てには当てはまらない

防犯の記事では「侵入手段は無締り(鍵のかけ忘れ)が最も多い」と説明されることがよくあります。 ところが警察庁が公表している令和6年の詳細統計を発生場所別に見ると、一戸建てだけはこの説明が成立しません

発生場所空き巣の認知件数無締りガラス破り
一戸建住宅7,588件2,788件
36.7%
3,334件
43.9%
4階建以上の共同住宅2,175件1,042件
47.9%
432件
19.9%
3階建以下の共同住宅1,205件456件
37.8%
125件
10.4%

共同住宅では3階建以下・4階建以上のどちらも無締りが最多ですが、一戸建てではガラス破り43.9%が無締り36.7%を上回ります。 戸締りの徹底は必要ですが、それだけでは足りないということです。鍵をかけていても窓を破って入られるケースのほうが多いのですから。

侵入口の内訳も同じ方向を示しています。一戸建住宅の空き巣7,588件のうち、窓からが4,347件(57.3%)、玄関などの表出入口からが1,477件(19.5%)でした。 窓は玄関の約3倍狙われています。集計方法と出典は警察庁統計で見る空き巣の実態で確認できます。

戸建ての防犯は「破られない」より「破られたら気づく」

窓の対策として、補助錠や防犯フィルムはよく挙げられます。一戸建て向けの防犯グッズとしては現実的な選択肢です。 ただしこれらが担うのは侵入までの時間を稼ぐことであって、ガラスを破られた瞬間に誰かが気づくかどうかは別の問題です。

警備会社のホームセキュリティで窓センサー・ガラス破損センサーが担うのは、まさにこの後者の部分です。 物理的に破られることを防ぐのではなく、破られたことを検知して通報し、警備員が駆けつける仕組みになっています。

つまり防犯グッズと警備会社は競合するものではなく、役割が違います。 「侵入を遅らせたい」だけなら防犯グッズで足り、「侵入されたことを不在中でも知りたい」なら警備会社が必要という切り分けになります。 どちらが自分に必要かの判断はホームセキュリティは意味ない?本当に必要かで扱っています。

戸建て向け7社の5年総額:約20万円から61万円

各社が公式サイトで公表している戸建て向けプランの月額と初期費用から、5年間の総額を算出しました。算出式は「月額×60か月+初期費用」です。 契約満了時に返却される保証金は実質負担ではないため総額に含めていません。

会社月額(税込)初期費用5年総額条件
全日警2,970円22,000円約20.0万円提供エリアの明記なし
東急セキュリティ
置くだけプラン
3,498円5,500円約21.5万円駆けつけ別途6,600円/回。東京8区市+神奈川の計21市区のみ
関電SOS5,940円0円
既築
約35.6万円関西5府県のみ
アイルス5,148円〜52,800円約36.2万円大阪ガス供給エリア中心
ALSOK7,865円47,850円約52.0万円全国対応。駆けつけは月額に含む
セコム8,470円69,960円約58万円全国対応。保証金20,000円が別途
CSP10,120円公表なし約60.7万円4LDKの設置例。初期費用が非公表

幅はおよそ3倍ありますが、これをそのまま選択肢の幅と受け取ると判断を誤ります。 安い側の3社にはいずれもエリアか駆けつけの条件が付いているからです。

全日警は公式サイトのプランページに提供エリアの記載がなく、東急セキュリティは駆けつけが1回6,600円の別料金で対応エリアが21市区、関電SOSは関西5府県のみです。 戸建てで全国どこでも同じ水準のサービスを契約できるのは、実質セコムとALSOKの2社だけで、この2社は5年総額52万〜58万円の帯にあります。 多くの人にとっての現実的な相場は、20万円台ではなく50万円台です。各社の対応エリアは会社7社の比較に、内訳の計算は料金の相場と5年総額にまとめています。

戸建ては見積もりで金額が動きやすい

上の表の月額は各社が公表している標準的な設置例の金額です。実際の見積もりでは次の4項目で変わります。 とくに戸建ては窓と出入口が多いぶん、マンションより上振れしやすい構造にあります。

1 センサーの種類と設置数

料金は設置する機器の種類と個数で変動します。前述のとおり一戸建ての侵入口は窓が57.3%を占めるため、窓の多い間取りほど必要なセンサーが増えます。見積もりでは「どの窓に何を付けて、その分いくらか」を確認してください。

2 駆けつけにかかる時間

最寄りの警備拠点から自宅までの距離で変わるため、同じ会社でも住所によって体感が違います。セコムは緊急発進拠点を全国約2,500カ所と公表していますが、ALSOKは拠点数を公表していません。自宅から最寄り拠点までの所要時間は見積もりの場で聞ける項目です。

3 補償の金額と適用条件

セコムは盗難時の現金・貴金属50万円、家財200万円、災害見舞金100万円までを公表しています。ALSOKは補償の金額を公表していません。7社のなかで補償内容を金額まで明示しているのはセコムだけでした。

4 契約期間と中途解約の費用

セコムは当初5年、以降1年ごとの更新です。レンタル契約の保証金20,000円は満期終了時には返金されますが、中途解約では返金されません。契約期間を公表しているのは7社中3社だけで、解約金の金額を公表している会社は1社もありませんでした。詳細は解約・乗り換えで扱っています。

マンションや賃貸とは前提が違う

同じホームセキュリティでも、住まいのタイプで論点がまるく変わります。 戸建ては侵入口の多さと、それに伴うセンサー数の増加が費用を押し上げる要因になります。

一方マンション向けの専用プランは戸建てより明確に安く、セコムのマンションプランは5年総額約38.4万円、ALSOKは約40.5万円です。 戸建て向けとの差は5年で13万〜14万円あります。賃貸の場合はさらに、料金より先に貸主の承諾が取れるかという条件が加わります。 賃貸で検討している方は賃貸・一人暮らしのホームセキュリティをご覧ください。

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まとめ:窓の弱点を埋められるかで判断する

一戸建ての防犯を考えるうえで押さえるべき事実は2つです。 侵入口の57.3%は窓で、手口の最多は無締りではなくガラス破りであること。 そして全国どこでも契約できるのはセコムとALSOKの2社で、戸建ての現実的な相場は5年で50万円台であることです。

そのうえで、防犯グッズで侵入を遅らせるだけで足りるのか、破られたことを検知して駆けつけてもらう必要があるのか。 この線引きが決まれば、見積もりで確認すべきこともはっきりします。 センサーの数と費用、駆けつけ時間、補償の適用条件、中途解約時の費用——この4つは公式サイトを読んでも分からないため、2社から見積もりを取って並べるのが確実です。 選び方の全体像は選び方の7つのポイントにまとめています。