1 一戸建ては戸締りだけでは不足する
ガラス破りが43.9%、侵入口は窓が57.3%。施錠を徹底しても窓を破られる経路が残るため、検知と通報の仕組みに意味が出ます。逆に言えば、共同住宅の高層階なら無締り対策(戸締りの習慣化)の効果が相対的に大きくなります。
更新日:2026年8月
ホームセキュリティを検討するとき、そもそも侵入窃盗がどう起きているのかを知っておくと判断の軸が変わります。 このページは警察庁が公表している統計を一次資料から読み、住まいのタイプごとに手口が違うことを整理したものです。 防犯記事で定番になっている「侵入手段は無締りが最多」という説明が、一戸建てでは成立しないことも数字で確認できます。
最新の令和7年(2025年)の住宅対象侵入窃盗は17,152件でした。前年の16,000件から7.2%増え、1日あたりに換算すると約47件です (警察庁住まいる防犯110番「侵入犯罪の現状」)。
以下の住宅形態・侵入口・侵入手段の詳しい内訳には、警察庁が公開している令和6年(2024年)の詳細統計を使用しています。 手口は3つに分かれます。空き巣(留守中の侵入)が10,968件、 忍込み(就寝中などの侵入)が4,076件、居空き(在宅中で起きている時間の侵入)が821件で、 合計15,865件です。件数では空き巣が圧倒的に多く、この3手口の約7割を占めます。 なお16,000件との135件の差は、認知件数の表(図表1-2-4-2)と侵入手段別の表(図表2-2-1-4)で 集計範囲がわずかに異なるためで、当サイトで補正はしていません。
住宅以外の店舗・事務所などを含む侵入窃盗全体も、令和7年は47,233件で前年比9.8%増でした。 令和7年は、侵入窃盗全体と住宅対象侵入窃盗のどちらも前年より増加しています。
防犯の記事では「侵入手段は無締り(鍵のかけ忘れ)が最も多い」と説明されることが多いのですが、 発生場所別に見ると一戸建てにはこの説明が当てはまりません。共同住宅では、3階建以下・4階建以上のどちらも無締りが最多です。
| 発生場所 | 空き巣の認知件数 | 無締り | ガラス破り | 施錠開け |
|---|---|---|---|---|
| 一戸建住宅 | 7,588件 | 2,788件 36.7% | 3,334件 43.9% | 343件 4.5% |
| 4階建以上の共同住宅 | 2,175件 | 1,042件 47.9% | 432件 19.9% | 373件 17.1% |
| 3階建以下の共同住宅 | 1,205件 | 456件 37.8% | 125件 10.4% | 370件 30.7% |
一戸建てではガラス破り(43.9%)が無締り(36.7%)を上回ります。 つまり一戸建てに住んでいる人にとって、戸締りの徹底は必要条件ですが十分条件ではありません。 鍵をかけていても窓ガラスを破って入られるケースが、かけ忘れよりも多いということです。
逆に4階建以上の共同住宅では無締りが47.9%と半数近くを占めます。 高層階は外部からの侵入が難しいぶん、住人の油断が突かれる形になっていると読めます。 3階建以下の共同住宅では施錠開け(合かぎ・ピッキング等)が30.7%と、他のタイプより明らかに高いのも特徴です。
一戸建住宅の空き巣7,588件について、どこから入られたかの内訳が公表されています。
一戸建てでは玄関よりも窓が3倍近く狙われています。 前の節でガラス破りが最多だったことと整合する結果です。玄関の錠を強化しても、窓が無防備なら侵入経路は残ります。
窓の防犯は補助錠や防犯フィルムでも対策できますが、ガラスを破られた時点で気づけるかどうかは別の問題です。 ホームセキュリティの窓センサー・ガラス破損センサーが担うのはこの部分で、 物理的に破られることを完全に防ぐのではなく、破られたことを即座に検知して通報する仕組みです。
手口別に無締りの割合を見ると、在宅しているときの侵入で数字が大きく変わります。
| 手口 | 状況 | 認知件数 | うち無締り | 無締り率 |
|---|---|---|---|---|
| 空き巣 | 留守中 | 10,968件 | 4,286件 | 39.1% |
| 忍込み | 就寝中など | 4,076件 | 2,568件 | 63.0% |
| 居空き | 在宅・起きている時間 | 821件 | 601件 | 73.2% |
居空きでは73.2%、忍込みでは63.0%が無締りによる侵入です。 在宅中は「家にいるから大丈夫」という意識が働き、施錠がゆるくなることが数字に出ています。 件数自体は空き巣より少ないものの、鉢合わせによる強盗への発展リスクを考えると軽視できません。
在宅時の侵入対策として、ホームセキュリティには在宅中も窓や勝手口だけを警戒する「在宅警戒」の設定があります。 各社の呼び方や対応範囲は資料で確認が必要です。
統計から読み取れることを整理すると、次のようになります。
ガラス破りが43.9%、侵入口は窓が57.3%。施錠を徹底しても窓を破られる経路が残るため、検知と通報の仕組みに意味が出ます。逆に言えば、共同住宅の高層階なら無締り対策(戸締りの習慣化)の効果が相対的に大きくなります。
同じ「空き巣対策」でも、一戸建てなら窓、3階建以下の共同住宅なら施錠開け(30.7%)への備え、高層階なら戸締りの習慣が効きます。一律のおすすめが成立しない領域です。住まいタイプ別の料金は料金の相場と5年総額で比較しています。
年間17,152件という件数は、世帯数から見れば発生確率は低いといえます。ホームセキュリティは確率を下げ、起きたときの補償を用意する仕組みで、被害を完全に防ぐ商品ではありません。この前提を踏まえた費用対効果の考え方はホームセキュリティは本当に必要かで扱っています。
7社を調べた範囲で、補償内容を金額まで公表しているのはセコムのみでした(2026年7月30日、各社公式サイトで確認)。盗難時の現金・貴金属50万円、家財200万円までの補償が自動付帯されます。他社は公表がないため問い合わせが前提になります。詳細は会社7社の比較にまとめています。
最新の総数と前年比は、警察庁住まいる防犯110番「侵入犯罪の現状」および 令和7年の犯罪情勢(令和8年2月公表)で確認しています。 住宅形態別・侵入口別などの詳細は、警察庁令和6年の刑法犯に関する統計資料(令和7年8月公表)から引用しています。 図表1-2-4-2(侵入窃盗の認知・検挙状況)、図表2-2-1-4(侵入手段別 住宅を発生場所とする空き巣・忍込み・居空き認知件数)、 図表2-2-1-5(発生場所・侵入口・侵入手段別 空き巣・忍込み・居空き認知件数)が該当箇所です。
読み方の注意として、ここでいう件数は「認知件数」であり実際の被害件数ではありません。 警察に届け出られ、犯罪として認知されたものの集計です。被害届が出されなかった事案は含まれません。
また割合(%)は、公表されている認知件数から当サイトで算出したものです。 発生場所別の空き巣件数(一戸建7,588+4階建以上2,175+3階建以下1,205)が手口別の空き巣総数10,968件と 一致することを確認しています。
最新の令和7年では、住宅対象侵入窃盗が17,152件に増加しました。 詳細内訳を確認できる令和6年の統計では空き巣が10,968件で、一戸建てではガラス破り43.9%・侵入口は窓57.3%でした。 無締りが最多になるのは共同住宅と、在宅時の忍込み(63.0%)・居空き(73.2%)です。
自分の住まいがどのタイプかで、優先すべき対策も変わります。そのうえで警備会社のサービスを検討するなら、 まず対応エリアを確認するところから始めるのが早いです。全国どこでも契約できるのはセコムとALSOKの2社だけでした。 各社の条件は会社7社の比較、選び方の手順は選び方の7つのポイントにまとめています。